美ら海水族館にペンギンはいない？その理由と沖縄でペンギンに会える場所を解説

沖縄旅行のハイライトとして多くの人が訪れる「沖縄美ら海水族館」。壮大なジンベエザメや美しいサンゴ礁に心を奪われますが、「あれ、水族館のアイドル、ペンギンはいないの？」と疑問に思う方もいるかもしれません。実は、沖縄美ら海水族館にはペンギンが展示されていないのです。

この記事では、なぜ美ら海水族館にペンギンがいないのか、その明確な理由を詳しく解説します。さらに、ペンギンがいなくても十分に楽しめる美ら海水族館の圧倒的な魅力や、どうしても沖縄でペンギンに会いたいという方のために、ペンギンを展示している他の施設もご紹介します。この記事を読めば、あなたの沖縄旅行の計画がより一層充実したものになるでしょう。

美ら海水族館にペンギンがいない！気になるその理由

沖縄旅行の定番スポットである美ら海水族館ですが、人気の動物であるペンギンがいないことに驚く人も少なくありません。その背景には、水族館の確固たるコンセプトと、生き物たちへの深い配慮がありました。

結論：沖縄美ら海水族館にペンギンはいない

水族館といえば、イルカやアシカと並んでペンギンが人気者として展示されているイメージが強いかもしれません。しかし、美ら海水族館の展示エリアをくまなく探しても、愛らしいペンギンの姿を見つけることはできないのです。これは、何か特別な事情があるのでしょうか。それとも、単に飼育していないだけなのでしょうか。

その理由は、この水族館が大切にしている「テーマ」に深く関わっています。次の項目で、その核心に迫っていきましょう。ペンギンがいないことを知ってがっかりするかもしれませんが、その理由を知ることで、美ら海水族館の展示に対するこだわりや、沖縄の海への深い愛情を感じ取ることができるはずです。

なぜいないの？コンセプトは「沖縄の海」の再現

沖縄美ら海水族館にペンギンがいない最大の理由は、その展示コンセプトが「沖縄の海との出会い」に特化しているからです。 この水族館は、沖縄の沿岸から沖合、そして深海へと続く海の生態系を、訪れる人が旅するように体感できる構成になっています。

館内に入ると、まずはサンゴ礁の浅瀬「イノー」を再現したタッチプールがあり、そこから色鮮やかな熱帯魚が泳ぐ「サンゴの海」「熱帯魚の海」へと続きます。 そして、クライマックスは世界最大級の大水槽「黒潮の海」。 ここでは、沖縄の沖合を流れる黒潮に乗って回遊するジンベエザメやナンヨウマンタといった巨大な生き物たちが悠々と泳ぐ姿を見ることができます。 さらに奥へ進むと、沖縄の深海をテーマにした「深層の海」エリアが広がっており、沖縄周辺の多様な海洋環境が忠実に再現されているのです。

ペンギンは、主に南極をはじめとする南半球の寒い地域に生息しており、沖縄の海には自然の状態で生息していません。 そのため、「沖縄の海」を忠実に再現するというコンセプトに基づき、ペンギンの展示は行われていないのです。 この徹底したこだわりこそが、美ら海水族館を唯一無二の存在にしていると言えるでしょう。

ペンギンの生息地と沖縄の気候

ペンギンの多くは、南極大陸のような極寒の地や、その周辺の冷たい海域に生息しています。 例えば、皇帝ペンギンはマイナス60℃にもなる過酷な環境で子育てをします。 もちろん、中には南アフリカや南米の沿岸部、さらには赤道直下のガラパゴス諸島など、比較的温暖な地域に生息する種類もいますが、それでも亜熱帯気候の沖縄とは環境が大きく異なります。

ペンギンを飼育するためには、彼らの生息地に近い環境を再現する必要があり、特に温度管理が非常に重要です。沖縄の温暖な気候の中でペンギンが快適に過ごせる環境を維持するには、大規模な冷却設備や水質管理システムが不可欠となり、多大なコストと労力がかかります。

美ら海水族館は、動物福祉の観点も重視しています。 その土地の自然環境とかけ離れた生き物を飼育するのではなく、沖縄の気候や環境を活かして、そこに生きる生物たちを最高の状態で展示することを選んだのです。ペンギンがいないのは、沖縄の海をありのままに伝えたいという水族館の強いメッセージの表れと言えるでしょう。

ペンギンがいなくても大丈夫！美ら海水族館の圧倒的魅力

ペンギンがいないと聞いて、少し残念に思った方もいるかもしれません。しかし、心配はご無用です。沖縄美ら海水族館には、それを補って余りある、ここでしか見られない唯一無二の魅力がたくさん詰まっています。

世界最大級の大水槽「黒潮の海」

美ら海水族館の最大の目玉は、何と言っても世界最大級の大水槽「黒潮の海」です。 幅35m、深さ10m、奥行き27mという圧倒的なスケールの水槽には、7,500トンもの海水が満たされており、まるで本物の海を切り取ってきたかのような光景が広がります。

この水槽の主役は、全長8.8mにもなるジンベエザメと、優雅に舞うナンヨウマンタです。 複数のジンベエザメとナンヨウマンタが一緒に飼育されているのは世界でも非常に珍しく、その迫力ある姿に誰もが息をのむことでしょう。 彼らが目の前を悠々と横切っていく様子は、まさに圧巻の一言です。

水槽の巨大なアクリルパネルの前に立つと、自分が海の中にいるかのような没入感を味わえます。 また、水槽に併設されたカフェ「オーシャンブルー」では、ジンベエザメたちを眺めながら食事やお茶を楽しむことができ、贅沢な時間を過ごせます。 さらに、「黒潮探検」という水上観覧コースに参加すれば、大水槽を真上から見学することも可能で、違った角度から海の壮大さを体感できます。

神秘的な「サンゴの海」と「熱帯魚の海」

「黒潮の海」のインパクトが非常に大きいですが、その手前にある「サンゴの海」と「熱帯魚の海」も見逃せません。特に「サンゴの海」水槽は、屋根のない屋外構造になっており、沖縄の強い太陽の光が直接降り注ぐことで、生きたサンゴの大規模飼育を可能にしています。

この水槽では、800群体もの多種多様なサンゴが、自然に近い環境で生き生きと成長している様子を観察できます。 色とりどりのサンゴの間を、鮮やかな熱帯魚たちが泳ぎ回る光景は、まるで竜宮城のよう。 多くの水族館ではサンゴのレプリカ（模型）が使われることも少なくありませんが、ここでは本物のサンゴが作り出す複雑で美しい生態系をじっくりと見ることができます。

続く「熱帯魚の海」のエリアでは、沖縄の海に生息するカラフルな魚たちが、岩場や砂地、洞窟といった様々な環境を再現した水槽で展示されています。 見た目にも華やかで、写真映えも抜群。沖縄の海の豊かさと美しさを、改めて実感させてくれるエリアです。

深海の生き物に出会える「深層の海」

沖縄の海の魅力は、太陽の光が届く浅い場所だけではありません。美ら海水族館では、水深200mを超える沖縄の深海に生息する、珍しい生き物たちにも出会うことができます。 「深層の海」エリアは、光の届かない神秘的な世界を再現しており、独特の雰囲気が漂います。

ここでは、巨大なダイオウイカの標本や、発光する生き物、奇妙な形をした深海魚など、普段目にすることのできない貴重な生物たちが数多く展示されています。沖縄周辺の深海は、世界的にも珍しい生物の宝庫として知られており、このエリアではその一端を垣間見ることができます。

深海の生き物たちは、高い水圧と低い水温という過酷な環境に適応するため、非常にユニークな進化を遂げています。その不思議な姿は、子どもだけでなく大人も知的好奇心をくすぐられること間違いなしです。華やかなサンゴ礁の海とは対照的な、静かでミステリアスな深海の世界をぜひ探検してみてください。

イルカショーだけじゃない！「オキちゃん劇場」と周辺施設

美ら海水族館の魅力は、館内だけにとどまりません。水族館がある海洋博公園内には、無料で楽しむことができる施設も充実しています。

その代表格が、イルカショーが開催される「オキちゃん劇場」です。 沖縄の青い海を背景に、ミナミバンドウイルカたちがダイナミックなジャンプや可愛らしいパフォーマンスを繰り広げます。 ショーのレベルの高さはもちろん、美しいロケーションも相まって、忘れられない思い出になるでしょう。

さらに、「オキちゃん劇場」の近くには、イルカをより間近で観察できる「イルカラグーン」や、人魚伝説のモデルとも言われるマナティーがゆったりと過ごす「マナティー館」、そして絶滅の危機に瀕しているウミガメたちの生態を学べる「ウミガメ館」などがあります。 これらはすべて水族館のチケットがなくても無料で観覧できるため、水族館の行き帰りにぜひ立ち寄ってみてください。 一日中いても飽きないほど、見どころが満載です。

沖縄でペンギンに会いたい！どこに行けばいい？

「美ら海水族館の魅力はわかったけど、やっぱり沖縄でペンギンが見たい！」という方もいるでしょう。ご安心ください。沖縄には、ペンギンに会える素晴らしい施設がちゃんとあります。

DMMかりゆし水族館のペンギンたち

2020年にオープンしたこの新しい水族館は、最新の映像技術と空間演出を駆使したエンターテイメント性の高さが魅力です。

館内の「ペンギンぐすく」というエリアでは、フンボルトペンギンたちが元気に暮らしています。 フンボルトペンギンは、南米の比較的温暖な沿岸部に生息する種類で、日本の気候にも適応しやすいとされています。 ここでは、ペンギンたちが水中を素早く泳ぎ回る姿や、陸地でよちよちと歩く愛らしい様子を間近で観察することができます。

DMMかりゆし水族館では、ペンギンへの餌やり体験（有料）も実施しており、子どもから大人まで大人気のアクティビティとなっています。 飼育スタッフの解説を聞きながら、自分の手でペンギンに餌をあげることができる貴重な体験は、旅の特別な思い出になること間違いありません。美ら海水族館とはまた違ったコンセプトを持つ、都市型水族館の魅力をぜひ体感してみてください。

ネオパークオキナワで触れ合える？

名護市にある「ネオパークオキナワ」は、動物たちとの距離の近さが魅力の自然動植物公園です。 広大な敷地内では、鳥類を中心に様々な動物たちが放し飼いに近い状態で暮らしており、まるでジャングルを探検しているかのような気分を味わえます。

かつてネオパークオキナワにはケープペンギンがいましたが、現在の公式サイトの動物紹介ページなどではペンギンの情報を見つけることができません。時期によっては展示されていない可能性や、他の施設へ移動した可能性も考えられます。

しかし、ペンギンがいなくてもネオパークオキナワにはたくさんの魅力があります。日本最大のフライングケージでは、色鮮やかな鳥たちが頭上を自由に飛び交い、餌やり体験も楽しめます。 また、かつて沖縄を走っていた機関車を再現した「沖縄軽便鉄道」に乗って園内を一周することもでき、子ども連れのファミリーに大人気です。 訪問前には、公式サイトで最新の展示動物情報を確認することをおすすめします。

沖縄の他の施設でのペンギン展示状況

以前は、沖縄の一部の動物園やテーマパーク、さらにはBARなどでペンギンに会える場所がありましたが、動物たちの移動や施設の閉園などにより、状況は変化しています。2024年現在、沖縄県内で確実にペンギンに会える水族館は「DMMかりゆし水族館」と言って良いでしょう。

旅行の計画を立てる際には、必ず各施設の公式サイトで最新の情報を確認することが重要です。特に、動物の展示は体調や繁殖などの理由で急遽変更になることもあります。ペンギンに会うことを主な目的にする場合は、事前に電話などで問い合わせておくと、より確実でしょう。「せっかく行ったのに会えなかった」という事態を避けるためにも、事前のリサーチをしっかり行いましょう。

美ら海水族館と他の水族館、どっちに行く？目的別おすすめプラン

沖縄には魅力的な水族館が複数あり、どこに行こうか迷ってしまうかもしれません。ここでは、あなたの旅行スタイルや目的に合わせたおすすめの施設をご紹介します。

ジンベエザメやマンタが見たいなら「沖縄美ら海水族館」

沖縄の海の雄大さや、巨大な海洋生物の迫力を体感したいなら、迷わず「沖縄美ら海水族館」を選びましょう。
世界最大級の大水槽「黒潮の海」を悠々と泳ぐジンベエザメやナンヨウマンタの姿は、他では決して見ることのできない感動的な光景です。 ジンベエザメの飼育に関しては世界最長記録を持ち、その生態研究にも大きく貢献しています。

また、生きたサンゴの大規模展示や、沖縄の深海生物のコレクションなど、学術的にも価値の高い展示が充実しているのも特徴です。 水族館だけでなく、海洋博公園内のイルカショーやマナティー館なども含めて、丸一日かけてじっくりと楽しむことができます。 北部に位置するため、那覇市内からは少し距離がありますが、時間をかけてでも訪れる価値のある、沖縄を代表する観光スポットです。

最新の映像技術と動物に癒されたいなら「DMMかりゆし水族館」

那覇空港からのアクセスも良く、気軽に最新のエンターテイメント水族館を楽しみたい方には「DMMかりゆし水族館」がおすすめです。
この水族館の魅力は、光や音、映像といった最新技術を駆使した幻想的な空間演出です。 クラゲが漂うエリアや、バーチャル映像を組み合わせた展示など、写真映えするスポットが満載です。

そして何より、沖縄ではここでしか会えないペンギンがいるのが大きなポイントです。 ペンギンだけでなく、ナマケモノやカワウソといった可愛らしい動物たちにも出会えます。 動物たちとの距離が近く、餌やり体験などのふれあいプログラムも充実しているため、生き物とのインタラクティブな体験を重視する方にはぴったりです。 商業施設に併設されているため、ショッピングや食事も一緒に楽しめるのも便利な点です。

動物との距離の近さを楽しみたいなら「ネオパークオキナワ」

水族館という枠にとらわれず、もっとアクティブに、動物たちとの近さを感じたいファミリーには「ネオパークオキナワ」が最高の選択肢です。
ここは、檻や柵が少なく、広大なフライングケージの中を自由に歩きながら、放し飼いにされた鳥や動物たちを間近で観察できるのが最大の特徴です。

アマゾンやアフリカといった世界中の熱帯地方の環境が再現されており、探検家気分を味わえます。 園内を走る軽便鉄道に乗ったり、動物たちに餌をあげたりと、子どもが喜ぶアトラクションも豊富です。 レッサーパンダなど、沖縄では珍しい動物にも出会えます。 海の生き物だけでなく、様々な動物たちとのびのびと触れ合いたいという方におすすめの施設です。

まとめ：美ら海水族館にペンギンはいないけど魅力満載！沖縄の海を体感しよう

今回は、「美ら海水族館にペンギンはいない」というキーワードを元に、その理由と沖縄の他の施設について解説しました。

沖縄美ら海水族館にペンギンがいないのは、「沖縄の海をありのままに再現する」という明確なコンセプトに基づいているからでした。 ペンギンはいませんが、世界最大級の大水槽で見るジンベエザメやマンタの迫力、そして生きたサンゴが作り出す美しい生態系は、ここでしか味わえない特別な体験です。

そして、「どうしてもペンギンに会いたい！」という方は、那覇空港近くのDMMかりゆし水族館を訪れれば、愛らしいフンボルトペンギンたちが出迎えてくれます。

それぞれの施設に異なる魅力がありますので、ご自身の旅行プランや目的に合わせて訪れる場所を選んでみてください。この記事が、あなたの沖縄旅行をより豊かで楽しいものにするための一助となれば幸いです。